概要
物理的なハードウェアのリソースをハイパーバイザ等のソフトウェアによって抽象化し、論理的に分割・統合して構築された独立したサーバー環境。OSを含む完全なコンピュータシステムとして機能し、物理的な制約から計算資源を分離する仕組みである。
IT・技術的側面
物理サーバー上に配置された仮想化ソフトウェア層が、CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークインターフェースをエミュレートし、複数のゲストOSを並列稼働させる。各仮想サーバーは完全に隔離されたプロセスとして実行されるため、特定の環境における障害が他の環境へ波及することを防止する。スナップショット機能による状態の保存や、ライブマイグレーションによる稼働中の物理筐体間移動が可能である。
ビジネス的価値
ハードウェアの稼働率向上に伴う、設備投資額(CapEx)および運用コスト(OpEx)の劇的な削減。サーバーの調達・構築期間を数週間から数分へと短縮し、新規ビジネスの検証サイクルを加速させる。リソースの動的割り当てにより、急激なトラフィック変動に対するスケーラビリティを確保し、機会損失を最小化する。また、ハードウェア故障時の迅速な復旧(DR)を可能にし、事業継続計画(BCP)の有効性を高める。
概念の配置(Context)
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Position: ITインフラストラクチャにおける、コンピュート資源の抽象化レイヤー。
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Contrast: コンテナ。仮想サーバーはOSを含めて仮想化するが、コンテナはホストOSのカーネルを共有しアプリケーション実行環境のみを隔離する点で異なる。
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Synthesis: 転貸借(サブリース)。一括して借り上げた物理的な空間を、需要に応じて細分化し、独立した区画として運用するモデルと論理的に一致する。